表示高速化の第一歩に画像の軽量化を勧める6つの理由

SEOへの影響が度々ほのめかされ注目度が上がっているWebサイトの表示高速化。成約率も左右することが定説ですが、なかなか手をつけられないという現場も目にします。

確かに対象範囲が広く、複合的な技術を要求される難易度高めのテーマです。

もちろん、そのサイトの重要課題や、チームの強みを活かした施策からはじめるのが一番ですが、もし何から手をつけてよいか迷うなら、画像の軽量化からはじめることをお勧めします。

その理由は次の通りです。

1. インパクトが大きい

Webページにおいて画像は、世界的な平均としてデータ通信の40%を占めています(HTTP Archiveの直近1年のデータより)。

他のHTML・CSS・JavaScriptなどの他のリソースタイプにこれほどの割合を占めるものはありません。

最も大きなところから手をつけるようというとてもわかりやすい理由です。

2. 他のサイトの事例を真似しやすい

高速化のための施策の多くは、そのWebサイトの性質、システム、規模などによって問題が変わってきます。

例えば効果的なキャッシュの使い方はコンテンツサイトと会員サイトで違います。

状況に応じた設計や実装ができる人は、高い技術や深い経験をもった人に限られます。

一方、画像はどのサイトでも同じフォーマットで、ほとんどの場合、静的なファイルとして存在しています。

技術的な個性がほとんどないので、うまく行っている他のサイトの真似をすればよいのです。

3. 独立したデータで影響範囲が狭い

施策の多くは他の機能、人間の作業フローなどに影響を及ぼすことがあります。

CDNは特に外部化しやすい施策ですが、それでもフロントエンドまたはドメイン管理の変更が必要です。キャッシュの緊急リフレッシュの方法も関係者に周知しなければなりません。

画像はとてもシンプルで、フォーマットや解像度、配信ドメインが変わるならまだしも、ただファイルサイズが軽量化するだけならHTMLやCSSの変更すら不要です。

今日気づいたらサイズが軽くなってても、誰か困るという心配はありません。むしろ気づく人も少ないでしょう。

4. 自動化に向いている

高速化の施策の多くには、人間の巧妙な思索や経験を必要とするものが多いです。

非同期で読み込んでよいCSSやJavaScriptを選別したり、データベースのスロークエリ解消などによるスループットの向上には専門的な知識と経験が求められます。

一方、画像軽量化は大量のデータに決まった処理をするという、まさにコンピュータにうってつけの作業です。

一度自動化してしまえばもうほとんど人間の出番はありません。

5. 技術トレンドが緩やかで陳腐化しにくい

Web画像の主要3フォーマットは、新しいPNGでも10年以上、JpegやGIFにいたっては20年以上の現役選手です。

技術トレンドの変化が早く、繰り返し追加投資を必要とするWebの世界で珍しいケースです。

画像の軽量化の仕組みは、耐用年数の長いものになる可能性が高いです。

6. 社会と環境に優しい

ご存じの通りモバイルのデータ回線には月々の上限があり、ユーザーはそれに応じたお金を払っています。

つまりユーザーはあなたのサイトを閲覧するとき、データ量に応じた通信費を負担していることになります。

データ通信自体、省コスト化が進んでいるとは言えエネルギーも消費します。

画像のような大きなデータを軽量化することは、それだけですでに社会的に善い行いです。

まとめ

いかがでしょうか。

誤解しないでいただきたいのは、画像の軽量化だけがとりわけ重要ということではありません。

経験上は実際のところ、体感的なスピードを大きく左右する最大の要因は画像以外にあります。最終的には複合的な対策が必要です。

ただ、画像の軽量化は一度自動化すると長く安定して機能し、人の能力や習性にも依存せず、他のシステムにも影響が少ないので、高速化の初手に適しているというお話でした。

アイデアマンズが現在、画像軽量化を強く推しているのもこれらの理由から、画像処理をきっかけに多くのWebサイトに高速化の取り組みを広めていきたいという願いがあります。

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