表示高速化|2026-10-29

振り返り・競合比較の使い方 表示速度を5年分さかのぼる

無料ツール「サイトスピード 振り返り・競合比較」で、自社サイトの表示速度を最大60か月さかのぼり、AIが挙げた競合と順位を比べる方法を紹介します。Chromeの実測データ(CrUX)の読み方、p75の意味、レポートの見方を、弊社ブログのレポートを例に説明します。

代表取締役 宮永
代表取締役 宮永

「うちのサイトの速さは、競合と比べてどうなのか」は、気になっても確かめにくいことの一つです。他社のサイトには計測のタグを入れられないからです。

サイトスピード 振り返り・競合比較は、ドメインを入れるだけで、そのサイトの表示速度の推移と、競合サイトとの順位をレポートにする無料のツールです。登録もタグの設置もいりません。

この記事ではツールの使い方とレポートの読み方を、弊社ブログ(blog.ideamans.com)のレポートを例に紹介します。


データはChromeの利用者の実測 ​

このツールが使うのは、Google が公開している Chrome の実測データ(CrUX: Chrome UX Report)です。Chrome の利用者が実際にページを開いたときの体験が、サイトごと・月ごとにまとめられています。

自社で計測の仕組みを用意しなくても、公開されている実測データから自社と他社を同じものさしで比べられるのが、このツールの特徴です。

レポートに出す指標は Core Web Vitals の3つです。

指標何を表すか良好不良
LCPページのいちばん大きな要素が表示されるまでの時間2.5秒以下4.0秒超
INP操作してから画面が応えるまでの時間200ms以下500ms超
CLS読み込み中にレイアウトがずれた量0.1以下0.25超

それぞれをモバイルとデスクトップに分けて出します。

1. ドメインを入れてレポートを作る ​

lookback.sitespeed.info を開き、調べたいサイトのURLかドメインを入れて「レポートを作成する」を押します。自社のサイトでも、他社のサイトでもかまいません。

レポートを作成する画面。URLまたはドメイン名の入力欄と「レポートを作成する」ボタン。下にサインイン不要の簡易レポートと、編集可能なレポート(要サインイン)の選択

レポートは2種類から選べます。

  • サインイン不要の簡易レポート: すぐに見られます
  • 編集可能なレポート: Google でサインインして作ります。競合のサイトを入れ替えたり、レポートの名前を変えたりでき、マイレポートに残ります

作ったレポートは一覧などには公開されませんが、URLを知っている人は誰でも開けます。

2. レポートの冒頭で今の状態を見る ​

レポートの冒頭には、最新月の LCP・INP・CLS がモバイルとデスクトップに分けて判定と一緒に並びます。

blog.ideamans.com のレポートの冒頭。ドメイン・レポート期間(2021年9月〜2026年8月)・更新日時と、LCP・INP・CLS のモバイルとデスクトップの値と判定

ここに出る値はどれも p75 です。p75 はその月の来訪を速い順に並べたとき、75%の来訪がこれより速いという値です。平均ではなく p75 を見るので、一部の遅い来訪に引っ張られすぎず、それでいて多くの人の体験を代表した値になります。

1か月の来訪を LCP が速い順に並べた棒グラフ。75%の位置に p75 の線。下に良好2.5秒以下・要改善・不良4.0秒超の区分

弊社ブログは、LCP と CLS がモバイル・デスクトップとも「良好」でした。INP は「N/A」と出ています。Chrome の実測データは来訪が十分にあるサイトと端末だけが集計の対象で、データがない指標はこのように表示されます。

3. 推移のグラフで振り返る ​

その下に、指標ごとの推移のグラフが並びます。最新月から最大60か月、つまり5年分をさかのぼれます。

LCP の推移(過去5年・p75)。2021年9月から2026年8月まで、モバイルとデスクトップの2本の線。どの月も良好の色

点の色が判定(良好・要改善・不良)を表します。弊社ブログのデスクトップの LCP は、2025年の春ごろに一段下がり、その後も良好の範囲にあります。モバイルの線は2025年の初めで途切れています。

サイトのリニューアルや画像の最適化、CDN の導入などをした月がわかっていれば、その前後の線の動きから、施策の効果を実測で振り返れます。

INP の推移(過去5年・p75)。モバイルは50〜100msのあいだを上下し、デスクトップは低い値で横ばい

4. 競合と順位を比べる ​

レポートには、AI が挙げた競合サイトとの比較も入ります。AI が Google 検索を使って競合のサイトを3〜10件挙げ、同じ Chrome の実測データで並べます。

競合と比べる図。AIが競合を3〜10件挙げ、最新月の LCP(p75)が小さい順にサイトA・サイトC・あなたのサイト・サイトB・サイトDと並ぶ

この図はレポートの比較の見え方を説明するためのもので、サイト名は伏せています。

指標ごとの順位は、最新月の p75 が小さい順です。総合の順位には「平均満足度」を使います。LCP・INP・CLS をモバイルとデスクトップで見た、6つの「良好」の割合の平均です。画面でも説明しているとおり、比べやすくするための便宜的な数値です。

AI の挙げた競合が実際の競合と違うときは、編集可能なレポートで入れ替えられます。

5. AIの解説とスライドで共有する ​

「AIレビューを作成」を押すと、グラフごとの読み方と、競合を含めた総括を AI が書きます。直近24か月の推移をもとに書くので、数字に慣れていない人に説明するときの下書きになります。AI のレビューは最新月ごとに1回作られます。

レポートの「スライド」を押すと、スライドとして表示され、印刷すると PDF にできます。社内の会議や、制作会社との打ち合わせで共有するときに使えます。

使うときに知っておきたいこと ​

  • データは月ごとで、サイト(ドメイン)単位です。ページごとの速さはわかりません
  • レポートは、開いたときに新しい月のデータがあれば取り直します。定期的に自動で更新されるわけではありません
  • 来訪が少ないサイトは、Chrome の実測データに載らず、レポートを作れないことがあります

Chrome の実測データが自社で計測した値とどのくらい合うのかも、気になるところです。弊社が通販サイト14社で、Chrome の実測データと自社の計測(RUM)の LCP を比べたところ、サイトの順位はよく一致しました(順位の相関 0.96)。競合との位置関係を見る用途には向いているデータです。ただし、デスクトップは値の水準が自社の計測とずれることがありました。

自社のサイトについて、来訪ごとの速さと売上の関係まで調べたいときは、タグを1行貼って計測する Speed is Money が向いています。

まずは自社のドメインで、サイトスピード 振り返り・競合比較を試してみてください。

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