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通販サイトの「添え言葉」を集めるブログを始めました

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    代表取締役 宮永

通販サイトを見ていると、工夫を感じられるひと言をよく目にします。

ただ「カートに入れる」ボタンがあるだけではなく、「キャンセル・返品交換無料です」と添えてあるだけで安心感が違います。そういった小さなひと言を集めてみよう、という企画でブログを始めました。

実例に学ぶ通販「添え言葉」

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実例に学ぶ通販「添え言葉」


「添え言葉」ってなに?

まず、2つの画面を見比べてみてください。

Before

添え言葉なしのカートボタン

After

添え言葉ありのカートボタン

左は「カートに入れる」ボタンだけ。右はその直上に「発送前はキャンセル無料 ・ 到着後30日返品OK」という一行が添えられています。

ボタンのデザインは同じ。商品も同じ。違うのは、たった一行のテキストだけ。でも、この一行があるだけで「買ってみようかな」という気持ちが少し後押しされませんか?

こうした短いテキストは、一般的に 「マイクロコピー」 と呼ばれるものです。ボタンのラベル、フォームの補助テキスト、エラーメッセージ、確認画面のひと言——ユーザーインターフェースに散りばめられた小さなコピーのことです。

面白いのは、後で聞かれても「そんなの書いてあったっけ?」と覚えていなかったりするのに、やはりそのときは行動を大きく左右しているという点です。


バイブルとなった2冊の本

このマイクロコピーという考え方、実は以前から注目していた分野でした。きっかけは2冊の本です。

1冊目は、山本琢磨氏の 「Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー」 (秀和システム、2022年)。これは愛読しました。ボタンの横のたった一行を変えるだけでコンバージョンが大きく改善する——日本のECサイトの実例とデータが豊富で、読むたびに発見があります。

2冊目は、Kinneret Yifrah(キネレット・イフラー)の 「Microcopy: The Complete Guide」 (NEMALA、2019年)。マイクロコピーの概念を体系的にまとめた世界的なバイブルで、ボタン文言からエラーメッセージまで、あらゆる場面での書き方が整理されています。この2冊は原著と翻訳の関係ではなく、それぞれ独立した書籍です。

なぜ「マイクロコピー」ではなく「添え言葉」なのか

ちなみに「マイクロコピー」は株式会社オレコンの登録商標です。それもあって、ブログでは 「添え言葉」 という呼び方を採用しました。

ただ、商標の問題だけではなく、この言葉自体を気に入っているところもあります。あえて和の心と和風の言葉を選びたかったという意図がありました。旅館の部屋に置かれた手書きのひと言、贈り物に添える短い手紙——押しつけがましくなく、そっと背中を押すような態度が「添え言葉」という響きにはあります。主役はあくまでユーザーの行動であり、テキストはそれをそっと「添える」存在。そういう奥行きのある言葉だと感じています。


実例をひたすら集めています

ブログでは、実際の通販サイトで見つけた添え言葉をスクリーンショットとともに紹介しています。いくつか例をお見せします。

コメ兵 —「今なら5000円以上で送料無料」

コメ兵のカートボタン

ブランドリユースのコメ兵では、カートボタンに「今なら5000円以上で送料無料」という条件を直接組み込んでいます。ボタンを押す直前に「送料はかかるの?」という不安が解消される、シンプルですが効果的なひと言です。

Amazon —「返品は簡単です」

Amazonの返品メッセージ

Amazonのカート画面には「返品は簡単です」というひと言が添えられています。たった6文字。しかし「合わなかったらどうしよう」という購入直前の不安を、この一言が消してくれます。

北の快適工房 —「入力お疲れ様でした!」

北の快適工房のフォーム

北の快適工房の注文フォームでは、すべての入力が終わった末尾に「入力お疲れ様でした!」と表示されます。機能でも情報でもない、ただの労いの一言。しかしこの一言があるだけで、フォーム入力の疲れがふっと和らぎます。

このように、実際の通販サイトのスクリーンショットとともに、なぜその一言が効くのかを解説する——それがこのブログの内容です。UI/UXの改善アイデアとして参考にしていただければ幸いです。


サイトスピードの会社が、なぜ「添え言葉」を?

今の本流はサイトスピード改善ですが、小さなつまづきを減らすという意味で、意外にも目的は同じです。

人間、常に確固たる意思で行動しているわけではありません。ちょっとサイトが遅かったり、決断を迫られるポイントが増えたりすると集中力が途切れてしまいます。ページの表示が遅くて離脱されるのも、カートのボタンの前で不安になって離脱されるのも、結果としては同じこと。どちらもユーザーの「買いたい」という気持ちを途切れさせてしまう小さなつまづきです。

そういう人間の習性に可笑しみを感じて仕事のテーマにしているのかもしれません。表示速度と添え言葉、手段は違っても 「ユーザーをサイトから離脱させないこと」 という目的は一緒です。


ブログの内容

現在、以下のようなカテゴリで記事を公開しています。

  • 商品詳細 - 商品ページでの購入を後押しする添え言葉
  • カート・購入 - カートや決済画面での不安を和らげる添え言葉
  • フォーム - 会員登録や入力フォームのハードルを下げる添え言葉
  • その他 - サイト全体のUXを高めるさまざまな添え言葉

実際の通販サイトのスクリーンショットとともに、なぜその一言が効くのかを解説しています。サイト名も隠さずそのまま紹介しているので、改善のヒントとしてすぐに参考にできるはずです。

サイトの表示速度を気にしている方は、ぜひ添え言葉にも目を向けてみてください。同じくらい小さくて、同じくらい効果のある改善ポイントが見つかるかもしれません。

実例に学ぶ通販「添え言葉」 - https://assist-words-blog.ideamans.com/